毎年7万人以上が救急搬送される熱中症
日本では毎年、熱中症で7万人以上が救急搬送され、1,000人前後が命を落としています。特に2018年以降、猛暑日(35℃以上)の増加に伴い、患者数は年々増加傾向にあります。
熱中症の怖いところは、初期症状が「ただの疲れ」と区別しづらいこと。気づいた時には意識障害や臓器障害が進行しているケースも少なくありません。
このガイドでは、見逃しがちな初期症状、高齢者・子供で特に注意すべきサイン、家庭でできる応急処置までを解説します。
熱中症の3つのステージ
医学的には、熱中症は以下の3段階に分類されます。
I度(軽症)— 自宅でケア可能
- めまい・立ちくらみ
- 筋肉のこむら返り
- 大量の発汗
- 顔のほてり
この段階では、涼しい場所で休み、水分と塩分を補給すれば回復します。
II度(中等症)— 医療機関の受診を検討
- 頭痛・吐き気・嘔吐
- 倦怠感・脱力感
- 集中力・判断力の低下
- 体に力が入らない
ここまで進行したら、自力での回復は難しくなります。医療機関の受診をおすすめします。
III度(重症)— 救急車を呼ぶ
- 意識障害(呼びかけに反応が鈍い)
- けいれん
- 体温40℃以上
- 汗をかかなくなる
- まっすぐ歩けない
III度は命に関わる緊急事態です。すぐに119番通報してください。
高齢者で特に注意すべきサイン
65歳以上の高齢者は、若い人よりも熱中症のリスクが3倍以上高いといわれます。理由は以下の通りです。
- 暑さを感じる感覚が鈍くなる
- 喉の渇きを感じにくい
- 体内の水分量が少ない
- 持病や服薬の影響
家族が気づくべきサイン
- 「暑くない」と言うが、室温が30℃を超えている
- 食欲がない、食事量が減った
- いつもと様子が違う、ぼんやりしている
- 尿の色が濃い、量が少ない
- 皮膚が乾燥している
エアコンを「電気代がもったいない」と切ってしまう高齢者は要注意。室温は28℃以下、湿度は60%以下を保つことが重要です。
子供で特に注意すべきサイン
子供(特に乳幼児)は体温調節機能が未熟で、地面に近いため照り返しの影響も大きく受けます。
親が気づくべきサイン
- 顔が真っ赤になっている
- 機嫌が悪い、ぐったりしている
- 汗をかかなくなった
- おしっこの回数が減った
- 唇や口の中が乾いている
- 泣いても涙が出ない(脱水のサイン)
ベビーカーの中は地面からの照り返しで5℃以上高くなることもあります。
熱中症と他の症状の見分け方
| 症状 | 熱中症 | 夏バテ | 食中毒 |
|---|
| 体温 | 高い(38℃以上) | 通常 | 発熱あり |
| めまい | あり | あり | まれ |
| 吐き気 | あり | まれ | 強い |
| 下痢 | なし | まれ | あり |
| 発症 | 急速 | 徐々に | 食後数時間 |
家庭でできる応急処置
熱中症I度〜II度を疑う場合の対処法。
ステップ1:涼しい場所へ移動
- 屋外なら木陰や日陰へ
- 屋内ならエアコンの効いた部屋へ
- 衣服を緩める(特に首・脇・足の付け根)
ステップ2:体を冷やす
- 首・脇の下・太ももの付け根を保冷剤で冷やす
- 濡れたタオルで全身を拭く
- 扇風機やうちわで風を送る
ステップ3:水分と塩分を補給
- 経口補水液(OS-1など)が最適
- スポーツドリンクでも可
- 水だけだと低ナトリウム血症のリスクあり
- 自力で飲めない場合は無理に飲ませない
救急車を呼ぶべきライン
以下のいずれかがあれば、ためらわず119番通報してください。
- 呼びかけに反応しない
- 自分で水を飲めない
- けいれんを起こしている
- 体温が40℃を超えている
- 汗が出ない
- まっすぐ歩けない
「大げさかも」と迷ったら、消防庁の**救急安心センター事業(#7119)**に電話して相談できます。
熱中症を予防する5つの習慣
- こまめな水分補給 — のどが渇く前に、1時間にコップ1杯
- 室温管理 — エアコンを我慢しない(28℃以下推奨)
- 適切な服装 — 通気性のよい素材、帽子・日傘
- 暑さに体を慣らす — 梅雨明け前から軽い運動で発汗
- 体調管理 — 睡眠不足や二日酔いの日は要注意
ご家族の症状が気になったら
「ただの夏バテ?それとも熱中症?」と判断に迷う時は、Symplicuredの日本語対応AI問診をご活用ください。症状を入力するだけで、AIが緊急度を判定し、家庭でのケアで様子を見られる状態か、すぐに医療機関を受診すべきかをご提案します。ご家族と一緒に画面を見ながら使える、シンプルな設計です。
症状をチェックする →
この記事は予防と早期発見を目的としたものです。実際の緊急事態では迷わず119番通報してください。救急車の呼び方に迷う時は#7119(救急安心センター)に相談できます。